2007年3月28日。私は買い物帰りにT字型の交差点で信号待ちをしていた。信号が青になったので渡り始めた。同時に対面方向から1台の白い大衆セダンがゆっくりと近づいてきた。今にも車は止まりそうに感じたので、私は、そのまま歩を進めた。しかし、車は止まってくれず私の右臀部辺りに接触し、転倒した。

すぐに人だかりがして、誰かが救急車を呼べと叫んだ。私をはねた運転手は、そばによってきて痛くないかと言っておろおろするばかりであった。大した痛みもなかったので、大丈夫だよ、と運転手に告げて、救急車に乗った。近くの旧国立病院に運ばれた。問診がありレントゲンを撮ったが別に異常も無い。診断書を書いてあげるから痛くなったら、また来てくれと言われ、病院の医事係りがきて約3万円の費用を払ってくれといわれ仰天した。

持ち合わせがないので後日支払いにくるというと、借用書を書かされた。病院の待合室から携帯で110番し、事故の顛末を告げた。事故係りが行くまで、現場で待機していてくれというので、歩いて現場に戻ると、事故を起こした運転手は現場近くのスーパーの駐車場で私を待っていた。

その日の夕方、相手方の保険会社から人が来て保険についての説明がなされた。
1、保険というのは強制保険と任意保険のふたつがある。
2、事故の場合、強制保険で治療をする。それでも治らないときに初めて任意保険が有効になる。
3、強制保険の最高限度額は120万円である。
4、強制保険の請求をするのに委任状が必要だから印鑑を付いてくれ。
などと言われたが、なんのことかサッパリわからなかったが、痛みもないので押印した。その夜は何事もなかった。しかし、朝起きようとしても起き上がれないほどの痛みが発生し、やっとの思いで起き上がり、国立病院へ行った。これはどこかの骨がいかれていると思って必死に訴えるも、医師は痛み止めの薬を処方してくれた。そして交通事故は開業医の先生が良く見てくれる。と。そういうのである。市内のK整形外科を紹介された。
k整形外科でレントゲンを撮ってもらったが骨に異常はないという。しかし、痛くてたまらないのである。それで。とにかくリハビリをやろうということになりホットパック
や高周波を患部に当てる治療が始まった。こうして毎日の病院通いが始まった。

その2
人身事故を起こすと、まず、加害者側の強制保険で治療が行われ、それでも足りない場合任意保険で治療や賠償が行われる。強制保険の支払い限度額は120万円です。この額で病院代から慰謝料・休業補償の一切をまかなわれる。よっぽど軽い事故の場合でもこの金額以内に治まることは不可能となる。

もし、事故の相手が会社の社長などだと、高額の損害賠償請求に応じなければならない。また怪我の程度が重い場合は病院代も相当な額になってしまう。これを自費で払うとなると庶民の場合支払い不能になる。別に自動車保険という任意保険に加入するのである。この自動車保険はだいたい年額3万円〜4万円ぐらいが多いようだ。これは保険の種類によって掛け金が違ってくるので、一概に良し悪しの判断ができない。

我が家の場合、車を使うのはカミさんがほとんどだが、名義人は自分でる。保険のことは妻が全てやるので、どの会社のどんな保険というのも知らなかった。今回の事故では横断歩道を渡っているときに車に当てられたので、加害者の方の保険で全てをまかなうと思っていた。

しかし、自分が加入していた自動車保険には人身障害というのが付いてた。これはなんのことかサッパリわからなかったが、今回の事故でやっとわかった。歩行中に無保険の車からはねられて補償がうけられない場合、自分の自動車保険で補償を行うというタイプだ。なので補償が受けられた場合にはお金は出ない。ただし、どんな場合にも見舞金として5万円が出るのである。そんなことはちっとも知らなかった。

これは誰から聞いたかというと保険屋が教えてくれた。最近、損保会社の払い渋り問題が大きく取り上げられるようになり、自分が加入している損保会社も業務停止命令を受けているので。ようやく告知を始めたようだ。これまではこういう細かい契約内容まではなかなか教えてくれないのが実情だった。本当はもらえるのに請求をしていない人が多いようである。保険会社はこういうことはこれまで言ってこなかった。これが最近問題になっている保険金の不払いにつながっているだと思う。

自動車保険ははねた相手の補償をするために加入するという思い込みがあるので、自分の保険から見舞金が出るなんて思ってもみなかった。もし、彼方が事故に会い向こうが一方的に悪くても自分が加入している保険にも事故の報告をしておくのが良いようです。

今回の事故での診断は打撲全治5日間

通院月数 3ケ月 (日曜を除き毎日通院)

病院代 456352円

解決金 800000円

合計1256352円

(今回の事故で手にしたのは解決金の80万円と見舞金5万円合計85万円)

強制保険で120万円までは出るから保険会社の手出しは56352円である。これぐらいの追加金額だと交渉もスムーズに行くが金額が嵩むと難航するようだ。

打撲などの場合治療といえばホットパックや電気治療がほとんどなので病院費もそんなにかからない。事故で軽症の場合、保険会社は2ケ月で終えてくれというが、3ケ月までの通院ならどんな軽症でも可能である。できるだけ治療を長引かせるのが良いという人もいるが、時間と労力ばかりかかって割りにあわなくなることも考慮の必要がある。

重症の事故だと弁護士に頼むなど可能だが、全治3日や5日の診断となると費用対効果を考えるとそれもできかねる。グズグズしていると保険会社からスズメの涙の示談金を提示され丸め込まれてしまいかねない。自分の場合、一回目に保険会社が提示した額は43万円だった。しかし、どこも痛くないので、43万円もらえるならサインしようかと考えた。

月額10万円の年金しかない身には43万円はBIGな額なのだ。初めは加害者が相当落ち込んでいるので、治療費のほかに10万でももらえればいいかな。なんて軽く考えていた。しかし、そのうちに段々と欲が出てきてしまう。色々調べてみるが、軽度の事故交渉の事例がほとんどない。お金はほしいけど、あまりゴタゴタするのもイヤだ。しかし、強制保険にこれまでいくら払ってきたかを考えると。権利は主張せなばならない。落としどころをどうするか。これはこれで難しいものがある。

打撲は2〜3日後に猛烈な痛みに襲われるが2週間も治療すればウソのように痛みは取れる。この最初の痛みの強い時期に、病院と保険会社に痛みを強烈にアピールしておく。「先生、これはもう治らないんじゃないでしょうか」などと言い。保険会社には「こんなに痛いのに治らなかったらどう責任を取ってくれるんだ」と激しく詰め寄る。
保険会社は加害者側の代理人だから、平身低頭し、「しっかり治してください」といわざるを得ない。痛いと激怒できるが痛みが和らぐと。怒りも治まるので痛みが激しい初期に医師と保険会社にアピールしておく。

保険会社が用意した後遺症や慰謝料について書いた用紙をもらったが、慰謝料は一日に付き、4200円 休業補償1日に付き5700円と書かれていた。慰謝料の額は最低賃金と同額である。しかし、これは裁判所の判例ではもっと高くなる。

どんなに軽症でも本人が痛いと言えば、医者は治療を拒否するわけにはいかない。そう法律で決められているのである。だからといって半年も1年もというわけにはいかない。3ケ月は治療できると医者が言うのだから間違いない。ただし、保険会社は2ケ月という。それでも知らん顔して通院すれば良い。ポイントは毎日欠かさず通院すること。真面目一徹で通す。正論一本槍で愚直に通すのが。交渉ごとの王道である。ヘタなテクニックは慎むべし。やぶ蛇になったり。逆ねじを食らわされることもある。

結論としては慰謝料1日につきいくらという決まりはなってないようなものである。要するに保険会社からいくら金を出させるかである。自分の要求が通らなければ示談書に判を付かなければ良い。ただし、これにも2年の時効がある事を忘れないように。

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2007/07/22記

3月28日に事故に遭っていた件の示談交渉中だがサインするつもり。

1週間ほど前、保険会社から封書が届き、慰謝料の提示額額は慰謝料43万円。しかし、これではいかにも安すぎると返信用の書面で拒否。数日すると担当者から電話があって後30万を上積みし73万円でどうかと打診してきた。だがここで下手を打った。
「ダメだ100万円にしろ。」
と言うつもりが、つい
「30〜40ならいらない。自分としては面倒を避けて早期解決したいが、知人がもっと粘れと助言をくれるので、どうしようか迷っている。80万なら・・・」
と言ってしまった。

担当者は
「5分待ってくれ」
と言って電話を切る。ものの3〜4分もしないうちに再び電話が鳴った。
「わかりました。直ぐに示談書を送るのでサインしてください」
以上のような経緯。

診断書は全治5日間の打撲。しかし、実際には3ケ月通院。
事故2日目までは痛みも無かったが、3日目から猛烈な痛みが発生。しかしこの痛みも20日間ほどで緩和。

保険会社は2ケ月で治療を終えてくれといっていたけど、3ケ月は通院すると主張。

だいたいこういう軽症の事故での解決金というのがいくらぐらいが妥当なのか検討もつかない。

損害賠償には痛みなどの精神的苦痛に大して慰謝料が給付されるとある。それと休業補償がある。しかし、年金受給者・家賃収入で暮らす者は不労所得者と言って休業補償は貰えない。(失業者も同様)もらえるのは給与所得者・自営業者・家事従事者である。

自分は主夫なので休業補償を認めてくれと主張し、保険会社もこれを了承。

本日示談書を入れた封書を投函し、銀行口座に80万円が振り込まれれば一件落着の運びとなる予定。

自動車保険請求は非常に複雑でわかりづらい。自動車事故で被害者になったのは初めての経験なので解決を急ぎすぎた点があることは否めない。



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