母親の胎内に放出された2億の精子の中から1匹だけが頭部から酵素を出し卵子の中に入ることができる。(中央が酵素を出している)

   

受精卵は子宮の中にもぐりこみ、着床するといわれている。これが妊娠だという。僕の妻の場合はこの着床がうまくいかず妊娠にいたらなかった。胎児は魚類、爬虫類、哺乳類の34億年の進化の過程を数日で体験し成長するそうだ。

人類は海から誕生したと言われている。その名残として胎児は羊水と言われる水の中で成長するという。このような進化の過程を考察すると、水中が人間の進化に果たした影響がわかるというものだ。

生命の原点の水中にいることで、ワニや蛇になったような気持になるのかもしれない。水中を泳ぎ回ることで脳幹が刺激され、原始の本能がよみがえり、歩行や脳疾患の回復を促すのだろう。強烈な吐き気と目まいは水泳を始めてから治ってしまったので、そう考えるほかはない。これが自然治癒力と言われるものだろう。

難治性の脳疾患は水泳を続けることで改善の路があるのではないかと推測している。ただし、苦しい訓練に耐えうる精神力が必要となる。


水泳は費用もたいしてかからないし、転倒の危険がない。それに投薬の副作用やオペによる後遺症の心配もいらない。病院からも見放され、もう打つ手がないと思いながら水泳の門を叩いた。脳卒中の世界は実力本の世界である。学歴も地位も関係ない。コネも金銭も通用しない。やったもんだけが生き残る究極の平等の世界である。

 

生命の誕生においては、精子が卵子に向かって数多の中から超元気な一匹が突入し、受精卵となり着床し、そこから細胞分裂が始まるそうだ。テレビで見たり本で読んだ事がある。
25年前、妻の着床がうまくいかず、処置をするというので産婦人科に呼ばれた。医者はピーナツ型の金属容器にミミズ状の物を入れ、コレがそうです。妊娠に至りませんでしたと説明した。

着床すると妊娠が確定し、あのミミズ状のものが次第に成長し、人類が数億年の歳月を経て現在に至るまでの過程を、妊娠の期間中にたどりつつ生まれてくるのだ。と、昔NHK特集で見た事がある。卵からオタマジャクシのようなものから手のひらには水かきの膜があったりして、なるほどと思った。

生命の誕生は海の中と言われ、魚類から爬虫類を経て陸に上がり哺乳類となった。そんな風にナレーションされていた。

片マヒで水泳をしていると死ぬほどキツイ。体の半分が麻痺し、残り半分が正常な状態で泳ぐと超キツイ。早く泳ごうと健側の手を強引にかくと、麻痺側の肩も吊られて少し動く。動くというよりも体がローリングしているのかも知れない。

健側だけで泳ぐのは苦しいので、麻痺側も意識して動かすと泳ぎやすい。ただ、実際は麻痺側は動かない。頭の中で、普通に両手を使って泳いでいるようにイメージするだけでもずいぶん泳ぎやすい。水中では転倒しないので、一瞬だが思い切った動きが出来る。片手片足で泳いでいると、体がローリングし、蛇かワニになったような不思議な気分になる。人間の手も大昔はワニのような前足だったのだと思う。水中にいると原始脳と呼ばれる部位が刺激されて、人類が蛇やトカゲだった頃のかすかな記憶が蘇っているのかもしれない。


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