他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。身のまわりのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られるような方が、1級に相当します。
必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできても、それ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような方が2級に相当します。
労働が著しい制限を受ける、または、労働に著しい制限を加えることを必要とするような状態です。日常生活にはほとんど支障はないが、労働については制限がある方が3級に相当します。詳細はここ
日本年金機構のHPには、障害年金の申請書を作成する医師の方へという見出しで以下のような記述があります。
障害年金は、障害により日常生活に継続的に制限が生じ、支援が必要な場合に、これを障害状態と捉え、その障害の程度(=日常生活の度合いや労働能力の喪失)に応じて障害等級を決定し、支給するものです。
この障害等級は、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づき決定することになります。この障害等級を適切に決定するためには、作成される診断書の内容ができる限り詳細かつ具体的に記載されていることが重要です。
障害年金の認定は、目に見えて身体の機能が変わった場合だけでなく、高次脳機能障害などのコミュニケーション能力の欠如などの目に見えない部分での障害も考慮されなければならないのですが、診断書1枚で判定しなければならない日本年金機構の判定医(外部委託)は当人を実際に見て診断した医師の診断書が基準となります。体の麻痺の具合の検査の数値も大事ですが、医師の意見書がとても重要です。
しかし、そのような障害は生活や仕事への支障がわかりにくいため、書類の書き方によって受理の可否が分かれることも少なくありません。 特に、障害年金申請の際に重要となるのは、申請者自身が記入する「病歴・就労状況申立書」と主治医の記入する「診断書」です。これらの書類で、がんによる障害によって、患者さんが携わっている仕事を遂行する能力、つまり就労能力が発病する前後でどれだけ低下したかを具体的に示す必要があります。
「病歴・就労状況等申立書」には、特に主治医が記入する診断書には書かれてない多くの日常的エピソードを時系列に書いていくことが重要です。場合によっては、「日常生活で支障のある状況」として、別紙にまとめ、申請時に添付するといった工夫もできますので、是非取り組んでみてください。
主治医に就労への支障や障害の度合いを裏付ける診断書を書いてもらうことも大切です。
医師の記入する診断書の内容と整合性がとれていないと、障害年金を受給することは難しくなることもあります。
医師は、診察室での患者さんの様子しか知りません。患者さんが、発病前にどういう仕事をしていたのか、片麻痺に伴う様々な障害によって、日常生活や仕事にどのような支障をきたしているのか、患者さんを通してしか知ることができません。
主治医には、脳卒中によって仕事や生活に支障をきたしている事柄を具体的に伝え、「障害年金の診断書作成の際に参考にしてください」と伝えましょう。医師と直接面談することが難しい場合は、診断書作成依頼時に、メモを添付するなどの工夫も有効です。
とはいえ、障害年金の申請には、耳慣れない言葉がいくつも出てきますし、実際に患者さん自身やご家族が申立書を書いたり、直接医師に話すのは難しいところもあるでしょう。困ったときは、病院の相談室やソーシャルワーカーに相談し、主治医との橋渡しをしてもらうとよいでしょう。