さて、いいかねお客さん。角は一流デパート、赤木屋、黒木屋、白木屋さんで、紅白粉(べにおしろい)つけたお姐ちゃんから、ください頂戴で頂きますと、五千が六千、七千、八千、一万円はする品物だが今日はそれだけくださいとは言わない! いいかい?はい、並んだ数字がまず一つ。もののはじまりが一ならば、国のはじまりが大和の国、島のはじまりが淡路島、泥棒のはじまりが石川五右衛門なら、スケベエのはじまりがこのおじさん!っての。笑っちゃいけないよスケベエってわかるんだから目つき見りゃ、ね? 続いた数字が二だほら、二冊こうやってまけちゃおう。兄さん寄ってらっしゃいは吉原のカブ、仁吉が通る東海道、日光 結構 東照宮、憎まれ小僧ができないように教育資料の一端としておまけしましょうもう一冊。 産で死んだが三島のおせん、おせんばかりがおなごじゃないよ?京都は極楽寺坂の門前で、かの有名な小野小町が、三日三晩飲まず食わずに野垂れ死んだのが三十三。とかく三という数字はあやが悪い、三三六歩で引け目がないというね。 どう?まかった数字が四つ!ほら四冊目。四谷、赤坂、麹町、チャラチャラ流れる御茶ノ水、粋な姐ちゃん立ちションベン。白く咲いたが百合の花、四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水くさい。 ね、どう?一度変われば二度変わる、三度変われば四度変わる、淀の川瀬の水車、誰(たれ)を待つやらクルクルと。ゴホンゴホンと浪さんが、磯の浜辺でねえあなた、わたしゃあなたの妻じゃもの妻は妻でも阪東(ばんつま)よときやがった。 つづいた数字が六つ、ロクだ!昔、武士の位を禄という。後藤又兵衛が槍一本で六万石。ロクでもないガキができちゃいけないというんで教育資料の一端としておまけしましょうこの本。 どう!七冊目。七つ長野の善光寺、八つ谷中の奥寺で、竹の柱に茅の屋根、手鍋下げてもわしゃいとやせぬ、信州信濃の新ソバよりもわたしゃあなたのそばがよい。あなた百までわしゃ九十九まで、ともにシラミのたかるまでってやつ。 どう、ね?ほら、これで買い手がなかったらあたし、浅野内匠頭じゃないけど腹切ったつもり!え、ダメか!?チキショウ!ったくねえ、今日はしょうがねえ、貧乏人の行列だあ!まあいいよ、いいっていいって、帰んなさい帰んなさい。 はあ~…ははは…。みんないなくなっちゃったねえ。どう、おじいちゃん。ええ?じっと見てっけど、お孫さんに持ってきたいんだろこれ、ね。いくら見てたってダメ、いくら見てたって、買わなきゃ。ね、そうでしょ?ね?いくら掘っても畑にゃハマグリ出てこないっていうじゃないの、どう? 田へしたもんだよ蛙のしょんべん、見上げたもんだよ屋根屋のふんどしってね。 はい、どう! はい、どうです、見ていただきましょう!先ほど説明しちゃったの、これだけお安くまけちゃうよ?なぜこんなにお安い品物のかというとね、本来ならばこれ輸出する品物なんですよあんた。なんで輸出ができないかというと、はっきり言っちゃおう今まで言わなかった!わたくしが知っている東京は花の都、神田は六法堂という大きな本屋さんが、わずか百五十万円の税金で泣きの涙で投げ出した品物!だからこんなに安い! 本来ならば文部省選定!衛生博覧会ご指定!大変な品物だこれ!これだけ安く売っちゃう。 ね? 英語の本なんか見てごらんなさい英語。ずーっと買いてある。ね?もっともわかりやすいよ?この英語見てごらん、わたしだって読める。どう?エヌ・エイチ・ケイにマッカーサー、メンソレタームにデーデーテー、こういう、昔の古い英語から出てるんだから。買ってちょうだいよ、どーお?ね? |
「やけのやんぱち(かんぱちではありません)日焼けのなすび 色は黒くて食いつきたいが わたしゃ入れ歯で歯が立たない」。 これは映画「男はつらいよ」で寅さんが言う台詞の一部です。 やけのやんぱちは『やけっぱち』を人名っぽくした言葉で、江戸時代に使われていました。人生にやけくそ(やけっぱち)で、開智を嫌気して(考えることとが嫌)成す尾(我利による産物=腹の虫氣の拡大)は日に焼かれる、物品欲に汚れたことの、反省と浄化をしなければならないが、本物の歯(切り分ける智慧)を持っていないのでどうしていいか解らない、という意味です。 寅さん映画は葛飾柴又(クズの飾りに生きてしまう=物品幸福論)の現代人への警告の大教示(題経寺)として神が制作されました、ですから、全ては神示です。 信仰に興味を示さない人にも笑いで引き付けて、その中で教えを伝えようとされたのです。全48作は日本の48音、47都道府県プラス特別区=48に通じ、シハワセのヨハネ(預羽=天に飛び帰る)の智慧に通じ、27年間は廿七=世明け、でノア(法明け)の上陸の日(2月27日)に通じています。 |
ンドシとは見上げるものではなくむしろ見下ろす(みくだす)ものです。 しかし屋根屋が穿いているフンドシは、見上げることになってしまうので仕方なく見上げている ということです。 相手を褒めるつもりと揶揄するつもりと両方の気持ちがあるときに使います。 「いよっ!見上げたもんだよ、屋根屋のふんどしっ!」 言われたら、 「ありがとさんっ!」と言っておきましょう。 |